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Eagleでパターン図を書く(基本編)

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フリーで使える回路エディタのEagleでパターン図(ボード図)を書く方法を簡単にまとめます。
Eagleは機能が充実しており、設定できる項目が多い為、初心者がパターン図を書くのは難しいです。
そのため、ここでは回路図からパターン図を生成し、完成させるまでの一通りの流れをを入門編としてまとめてみました。


回路図からの生成

回路図の上部にあるGenerateアイコンを選択し、回路図からパターン図を生成します。
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パターン図が生成されている場合は、Generateアイコンはパターン図と回路図を切り替える機能を持ちます。

初めてパターン図を生成するかを聞かれるため、Yesを選択し生成を開始します。
生成が完了すると、以下の図のように、部品が集まった状態でパターン図が表示されます。
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ここからパターン図を完成させます。


格子表示設定

まずは表示の設定を行います。
このままでは、図上の部品の大きさや距離がわからないため、[Grip]アイコンを選択して、ボード図上にグリッド(格子)表示を行います。
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ここでの設定値の意味は以下になります。

Size:格子のサイズ(基本値)
Multiple:格子のサイズ(掛け値)
Alt:Altキーを押した時の移動幅

格子のサイズはSize×Multipleの大きさになります。
基本的にMultipleは1を入力しておけばよいです。
Altは格子のサイズよりも小さくして、微調整が必要な時にAltを押して位置を調整します。
単位系はデフォルトではincheになっています。日本人はmmの方が大きさをイメージしやすいため、mmに単位を変更しておきましょう。


基板(ボード)の大きさを決める

最初に基板(ボード)の大体の大きさを決めましょう。
基板の大きさは後でも決められますが、最初に大体どのくらいの基板サイズに納めるかを目処付けするためです。
[Move]アイコンを選択し、基板のアウトラインの頂点を選択します。
各頂点を動かし、基板の大きさを調節します。

部品がすべて乗りそうなサイズに変更しました。
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部品の配置

基板の大きさを決めたので、次に基板上に部品を配置します。
左下に集まっている部品を移動して、実際の回路上に配置します。

[Move]アイコンを選択し、移動する部品をクリックで選択し、移動させて再度クリックで配置します。
部品を選択中に右クリックで、部品を回転させることができます。
ここでの注意点は、部品からでている黄色の配線がなるべく交わらないようにします。
この黄色の線は部品間との接続を示しています。
配線が複雑に交わると、後で行う自動配線で配線しきれない可能性があります。
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この時、コネクタの配置や部品の高さにも注意してください。
配線を意識するあまりに、部品が組み付けにくくなる恐れがあります。


自動配線を行う

部品の配置が完了したら、いよいよ部品同士を接続するための配線を行います。

まずは、Ratsnestアイコンを押して、部品同士の接続(黄色の線)が最短になるようにします。
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この時、黄色い線の交差が少ないほど、自動配線ですべての部品をつなぐことができやすいです。
黄色い線が複雑に交差している場合は、部品の配置を変えたりしてみましょう。

次にAutorouterアイコンを押して、自動配線を行います。
Autorouterアイコンを押すと、以下のような設定画面が表示されます。
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ここでは、片面の基板を作成するためにBottom層のみの配線を指定しています。
Continueを押すと、自動配線が始まります。PCが何度か計算を繰り返し、複数のパターン候補を出力します。
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回路を作りやすそうな好みの配線を選択しましょう。

このように配線が完了しました。

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自動配線のやり直し

自動配線した後にやり直したいときは、ウィンドウ上部のコマンドバーに

ripup;

と入力し、実行します。
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GNDをベタパターンにする

上記までで、パターン図での配線は完了しました。
実際のプリント基板では配線だけでなく、GNDを広くとります。
GNDを広くすることで回路が安定するからです。
また、回路が安定するだけでなく、エッチングや、CNCでプリント基板を生成するときに、
基板に不要な銅板を除去する量が減り、コストが安くなるという利点があります。

そこで基板上の開いているスペースをすべてGNDとして、ベタ塗りのパターンとします。
手順は以下のようになります。

[Polygon]アイコンをクリックしてから、設定を下記のようにします。
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ここでは、Bottom層のGNDのみをベタ塗りします。
パターンとの隙間(Isolate)を0.04から0.05程度にしておきます。

設定したら、基板を囲むように線を結びます。
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次に、Nameアイコンをクリックして、先ほど書いた四角の外側をクリックしてから、割り当てたい配線名を入力します。ここでは、ベタパターンをGNDにしたいため、「GND」を入力します。
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最後にベタアース表示させるには、Ratsnestアイコンをクリックします。そうすることで、以下のようにGNDのベタパターンが表示されるようになります。
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